九州の山野草

ヒメジソとイヌコウジュの見分け
イヌコウジュとヒメジソという大変よく似た花があるのですが、
その見分けが出来ない、という大問題(笑)に最近ずっと悩まされていました。

一般的な相違点としては
1)葉の鋸歯の数と形(イヌコウジュは6〜13で浅い、ヒメジソは3〜6で粗い)
2)上ガク片の3歯の形(イヌコウジュは3歯が細く尖る、ヒメジソは尖りが緩く特に中央が低い)
3)茎や葉の毛の有無(イヌコウジュは全体に毛が多い、ヒメジソは少ない)
4)匂い(イヌコウジュは香りあり、ヒメジソは香りなし)
5)花や茎の色(イヌコウジュの花は赤紫、ヒメジソは白〜ピンク、イヌコウジュの茎は茶紫色になりやすい)
などが挙げられている。

実は前日、いつもの林道の入り口付近に沢山咲いている個体をひとつひっとつ丁寧に調べてみました。
鋸歯の数は3〜8まで確認できました。
鋸歯8ということは明らかにイヌコウジュの特徴なのですが、その個体の他の特徴を見てみるとヒメジソ的なのです。
他の点についてもそれぞれ程度の差で微妙に交錯して「さっぱりわからん」状態でした。

ところが本日最初に出会った株を見て、あっ、イヌコウジュ様と思わず声に出してしまいました!
前日、何十本も観察した株はそれぞれ違うようですべてヒメジソだったようです。

一点、一点特徴を確認していくと紛れもないイヌコウジュです。
ちょうど隣にヒメジソが並んでいたので座り込んでじっくり観察しましたよ。
さてこのお方が最初に出会ったイヌコウジュ様です

このガク片の立派な尖りは前日たくさん見たどれともはっきり異なります

これは隣のヒメジソさんのガク片

なかよく並んで写ってもらいました

尖りの角度、深さが明らかに違います 全体的な感じも左のヒメジソが大きめ幅広、イヌコウジュは小さめで細長

イヌコウジュの花
  花の大きさは3〜4ミリ
花や葉を手で触って匂いをかぐと、はっきりとした香りがありました


ヒメジソの花
  写真ではイヌコウジュの方が大きく映っていますが、実際は逆でヒメジソの花の方が大きいです


見えにくいですが左がヒメジソ、右側の2本がイヌコウジュです

左ヒメジソ 右イヌコウジュ

左ヒメジソ 右イヌコウジュ

左ヒメジソ 右イヌコウジュ
イヌコウジュのガク片は小さめが密についている感じ 
これですっきり